コンクールは、上手い人のため、プロになりたい人のため、とまだまだ多くの皆さんが思っているのだ、と実感しました。
以前は、確かにそうでした。コンクール自体の数も少なく、ピアニストになる人が、プロへの登竜門として受けるものでした。
しかし、時代が変わり、今や200とも300とも言われるコンクール。
子供向けだけなく、大人が参加できるものも多くなっています。
レベルも多種多様になりました。
自分が受けやすいコンクールを選び、モチベーション維持や成長のために利用するのは当たり前、という時代です。
コンクールの良いところは、完成度を上げていく「過程」にあります。通常のレッスンで◯になるレベルから、さらに上の良い音・良い表現を見つけに行く作業は、まるで宝探しのようです。宝物は簡単には見つからない。だからこそ、見つけたときの喜びは大きいのです。
これは限界を上げる作業とも言えます。特に子供たちは、この過程で伸びしろがどんどん増えて行きます。
半年で、ビフォーアフターのように、目を見張るほど上手くなります。
そして、コンクールに参加しない人と比べて、技術においては、2〜3年(もっとの場合も)くらいの差が出てくることも稀ではありません。
必ず、絶対に!上手くなるのです。
それがわかっているのにやらないテはありません。
人間は、努力して手にしたものを簡単には手放さない。
良い物を得た実感があれば尚更です。
当教室の生徒さんたちは、長く通い、中学生や高校生になってもピアノをやめない人が多いです。
なぜならば「上手くなったから」。音楽が良い趣味になり、学校では必ず合唱祭などの伴奏に選ばれるからです。
ピアノを一生楽しめて、しっかり弾ける技術を身に付けるコンテンツとして、コンクールをうまく使おう、というのが当教室のコンクールへのスタンスです。一握りの特別な人たちのためではないのです。レッスンの中の大切な一部なのです。
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